企業の成長には資金が不可欠ですが、どの助成金が自社に合うのかわからない、申請が複雑で諦めてしまう企業が多いのが現状です。実は、助成金による企業支援は多岐にわたり、要件を満たせば中小企業でも確実に受給できます。
本記事では、企業支援に役立つ助成金の種類から選び方、申請成功のコツまで、実践的なノウハウを詳しく解説します。
こんな企業におすすめ
- 自社に合う助成金が何かわからない
- 企業支援のための資金調達手段を探している
- 助成金の種類が多すぎて選べない
- 申請方法や成功のコツを知りたい
企業支援に使える助成金の全体像
助成金による企業支援とは
助成金による企業支援とは、国や自治体、民間団体が企業の成長・雇用促進・技術革新などを目的に提供する返済不要の資金援助のことです。
企業支援の助成金には、大きく分けて以下の3種類があります。
| 種類 | 提供元 | 特徴 |
|---|---|---|
| 政府系助成金 | 厚生労働省・経済産業省など | 要件を満たせば原則受給可、雇用・人材育成が中心 |
| 補助金 | 経済産業省・中小企業庁など | 審査あり(競争)、設備投資・IT導入が中心 |
| 自治体・民間助成金 | 都道府県・市区町村・財団など | 地域限定・特定業種に特化 |
助成金と補助金の違い
助成金:要件を満たせば受給できる(競争なし)、通年受付
補助金:審査・採択がある(競争あり)、公募期間限定
企業支援の確実性を求めるなら、まず助成金を検討するのがおすすめです。
企業支援助成金の主な種類
①雇用・人材育成系(企業支援の王道)
最も多くの企業が活用でき、確実性が高い企業支援助成金です。
| 助成金名 | 企業支援内容 | 補助率・額 |
|---|---|---|
| 人材開発支援助成金 (人への投資促進) | デジタル・AI研修、リスキリング | 最大75% |
| キャリアアップ助成金 | 非正規→正社員化、賃金引上げ | 1人最大72万円 |
| 雇用調整助成金 | 休業・教育訓練で雇用維持 | 休業手当の最大90% |
| 65歳超雇用推進助成金 | 高齢者雇用促進 | 最大160万円 |
| 両立支援等助成金 | 育児・介護と仕事の両立支援 | 最大72万円 |
②設備投資・IT導入系(DX推進支援)
企業のデジタル化・生産性向上を支援する補助金です。
- IT導入補助金:ソフトウェア・クラウド導入(最大450万円)
- ものづくり補助金:革新的な設備投資・製品開発(最大5,000万円)
- 事業再構築補助金:新分野展開・業態転換(最大1.5億円)
- 省エネ補助金:省エネ設備導入・エネルギー効率化
③新規事業・研究開発支援
- 小規模事業者持続化補助金:販路拡大・広告宣伝(最大200万円)
- 研究開発助成金:新技術・新製品の開発
- 創業助成金:スタートアップ・起業支援
④地域振興・環境対策支援
- 地域雇用開発助成金:地方での事業所設置・雇用創出
- 環境対策助成金:温室効果ガス削減・再エネ導入
- 自治体独自助成金:地域特化型の企業支援
企業支援助成金の選び方
ステップ① 自社の課題を明確にする
企業支援を受ける目的を明確にすることが、適切な助成金選びの第一歩です。
✓ 課題別おすすめ助成金
- 人材不足 → 人材開発支援助成金(研修でスキルアップ)
- 生産性が低い → IT導入補助金(システム導入)
- 売上が伸びない → 小規模事業者持続化補助金(販路拡大)
- 設備が古い → ものづくり補助金(設備更新)
- 離職率が高い → キャリアアップ助成金(処遇改善)
ステップ② 受給要件を確認する
⚠️ 企業支援助成金の基本要件
- 雇用保険の適用事業所であること
- 労働保険料の滞納がないこと
- 就業規則が整備されていること(従業員10名以上)
- 過去に不正受給がないこと
- 会社都合の解雇を6ヶ月以内に行っていないこと
ステップ③ 補助率・受給額を比較する
企業支援助成金は、種類によって補助率・受給額が大きく異なります。
補助率の比較例
- 人材開発支援助成金:研修費用の最大75%
- IT導入補助金:導入費用の1/2〜3/4
- ものづくり補助金:設備費用の1/2〜2/3
例:研修費用300万円の場合、人材開発支援助成金なら225万円を受給可能
企業支援助成金の成功事例
事例①:製造業 人材育成で生産性2倍に
企業概要:従業員50名の金属加工メーカー
課題:熟練工の高齢化で技術継承が急務
活用助成金:人材開発支援助成金(人材育成支援コース)
企業支援内容:若手社員15名に技能研修(80時間)
導入効果
- 研修費用360万円のうち162万円を受給
- 若手の技能習得により生産性が2倍に向上
- 不良品率が5%→1%に低下
- 年間約8,000万円のコスト削減
成功のポイント:社労士に依頼して計画届を適切に作成。OJTとOFF-JTを組み合わせた効果的な研修設計が奏功した。
事例②:IT企業 非正規社員の正社員化で定着率向上
企業概要:従業員120名のWebシステム開発会社
課題:契約社員の離職率が高く、採用コストが膨大
活用助成金:キャリアアップ助成金
企業支援内容:契約社員12名を正社員に転換
導入効果
- 1人あたり57万円×12名=684万円を受給
- 離職率が38%→12%に低下
- 採用コストを年間500万円削減
- 社員のモチベーション向上により、顧客満足度も向上
成功のポイント:正社員転換制度を就業規則に明記し、要件をクリア。転換後6ヶ月経過で確実に受給できることを把握していた。
事例③:小売業 IT導入で業務効率3倍に
企業概要:店舗数8店舗のアパレル小売
課題:在庫管理が手作業で時間がかかる
活用補助金:IT導入補助金
企業支援内容:クラウド在庫管理システム導入
導入効果
- 導入費用240万円のうち120万円を受給
- 在庫管理業務の時間が1/3に短縮
- 在庫回転率が1.8倍に向上
- 年間約1,500万円の売上増加
成功のポイント:事業計画書で「業務効率化による売上向上」を具体的に示し、採択を獲得。導入後すぐに効果が出る設計にした。
企業支援助成金の申請成功のコツ
コツ① 社会保険労務士に相談する
企業支援助成金の申請は複雑なため、初回は専門家に依頼するのが確実です。
✓ 社労士依頼のメリット
- 要件確認が正確にできる
- 計画届・支給申請書類を代行してもらえる
- 受給確率が大幅に上がる
- 費用は受給額の10〜20%が相場
コツ② 計画届は必ず事前に提出
⚠️ 最重要ポイント
助成金は事前申請が絶対条件です。研修や設備投資を開始してから申請しても受給できません。必ず開始の1ヶ月前までに計画届を提出してください。
コツ③ 記録を正確に保管する
- 出席簿:開始・終了時刻、受講者の署名または押印
- 訓練日報:実施した内容の詳細
- 領収書・請求書:宛名は必ず法人名
- 賃金台帳:訓練中の賃金支払い記録
まとめ:企業支援助成金を味方につけて成長を加速
本記事の重要ポイント
- 企業支援助成金は多様:雇用・人材育成、設備投資、IT導入、地域振興など
- 課題から選ぶ:人材不足なら人材開発支援、業務効率化ならIT導入補助金
- 要件を満たせば受給可:助成金は競争ではなく、要件クリアが鍵
- 事前申請が絶対条件:開始後の申請は不可
- 社労士の活用が成功の近道:初回は専門家に依頼
企業支援助成金を正しく活用すれば、自己負担を大幅に抑えながら人材育成・設備投資・業務効率化を実現できます。まずは自社の課題を整理し、適切な助成金を選ぶことから始めましょう。